眠っていられない夜を過ごす
夕方になり強い冷気を含んだ風にが吹いてきました。
そんな中、なるべく風・冷気を避けるために
小屋の脇の雪のない場所にテントを張ります。
張っている最中に体が完全に冷え切ってしまい
背中や足を攣ってしまいました。
震えが止まらず歯がガチガチ鳴るほどの状況になってしまいました。
低体温症ってやつでしょうか?
テントの中に入り込み、着れるものを着てシュラフにもぐり込みました。
体の中から温めないとと考えて、お湯を沸かしてコーヒーを入れます。
ゆっくりとコーヒーを飲んで足を揉んで体をほぐして
血のめぐりをよくするように努めました。
ようやく落ち着いてきたので夕食を作りゆっくり食べて、寝る準備をしました。
今回のシュラフは軽量化を考え夏物の薄いシュラフのため
インナーシーツとエスケープヴィヴィを組み合わせてと考えていました。
全てを組み合わせてもぐり込むと寒さは無かったので
これで眠れそうかなと安心しました。
ラジオを聴いたり、本を読んだりしているうちに
眠気が出てきたのでそのまま眠ります。
しばらくするとうっすらと寒さを感じて起きてしまいます。
疲れで眠さが勝って眠りにつく、寒くて起きるを繰り返します。
何度目かで雨具も着込んでシュラフを頭までかぶり
体を丸めて無理にでもと眠ります。
が、寝落ち・覚醒を繰り返していると空が白み始めます。
すると太陽の温かさを感じてそこから熟睡できました。
予定よりはかなり遅い8時に起床しました。
光岳登頂 そして堪能する
テントを撤収して荷物をまとめデポして最小の荷物で光岳の山頂に向かいます。
天気は今日も良好で遅めの朝とはいえ空気が気持ちいいです。
寝起きの体を無理やり動かして山頂へ向かいます。
大した登りではないのですが早速キツイです。
当然、雪も出てきます。
トレースをしっかり辿っていけば見た目ほど急ではありません。
振り返ると聖岳でしょうか。
堂々とした山容で聳えています。
それにしても遠い…、南アルプスは1座が大きいですね。
と言ってる間に山頂です。
本当~~っに長かった。
頂上は展望がほとんど無く、確かにちょっと残念です。
頂上の脇に深南部を見渡せる展望台があります。
ここら辺に生えている這松が日本の南限の這松になるそうです。
テカリ岩を目指します。
稜線からの下降点には看板があります。
下降する道は南面斜面の為か雪が残っていなくて良かったです。
下っていくと…
急に現れました。テカリ岩です。
意外とデカいですね。
テカリ岩より西側を眺めます。
阿部奥と呼ばれている山域でしょうか。
200名山の七面山いつか登ってみたいです。
南側に目を向けると南アルプスの深南部の山々が見えます。
秘境も秘境の山域。もっと経験を積んだら行ってみたい場所です。
西側の池口岳方向です。
稜線を辿って簡単にいけそうな感じです。
実際にはバリエーションルートの様なので私には無理ですが…
テカリ岩から下を覗き込みます。
思ったより高度感があり○○の裏がスースーします。
光岳を堪能し切ったので先へ向かいます。
光岳小屋まで戻ってきました。
もう誰もいないので小屋の様子を見てみます。
2Fが避難小屋として開放されており皆さん綺麗に使われているようです。
驚いたのは断熱が良いのかすごく暖かかったことです。
ここなら昨晩のように凍えることなく過ごせたでしょう。
小屋を後にして静高平を進みます。
右手に見えるのがイザルガ岳です。
せっかくなので寄っていきます。
登って行くと周りに遮るものがなく素晴らしく展望が良いです。
空の中を進んで行くような感覚になります。
イザルガ岳登頂です。
綺麗に聖岳が見えています。
振り返ると光岳が見えます。
ここから見ても展望のなさそうな山ですね。
南には先ほど眺めた深南部の山並が見えます。
東に目を向けると富士山が凄い存在感で鎮座しています。
遮るもののない展望をこれでもかと堪能して山頂を後にしました。
下山
光岳、イザルガ岳と山頂をたっぷり堪能しました。
ピストンなので同じコースを下山します。
帰りはサクサクと進んでいきます。
行きは長かった稜線歩きの区間も気持ちよく歩いていきます。
休憩もあまりとらずに降りていきます。
赤い橋まで帰ってきました。
易老渡です。無事下山してきました。
帰路にて
この後、無事に駐車場まで歩き切りました。
駐車場で汗を拭き着替えて帰路につきます。
温泉と登山バッヂを求めて付近の施設を調べます。
道の駅の遠山郷とかぐらの湯、温泉施設は休業中、バッヂもないようです。
ある人のブログで[いろりの宿 島畑]という施設でバッヂを買ったという記事を見つけました。
そんなに遠くも無いので向かってみます。
駐車場に車を停めて宿の中に入っていくと宿のおじさんがいるので声をかけてみました。
光岳の登山バッヂを買いたいと伝えるとこっちにあるよと快く案内していただいて
何種類かあるバッヂの中から光岳のバッヂを手に入れました。
おじさんと世間話をしているとここで日帰り入浴もやっている
との事でしたので入浴させていただくことにしました。
車もお風呂の脇に停めて良いとの事で早速移動します。
お風呂に行くと完全に貸し切りです。
程よい温度のお風呂でゆっくり体を休めて登山の疲れを取ります。
ブログにあった通り面倒見の良いおじさんのおかげでほっこりした気持ちで帰路につけました。
最後に
光岳登山はアプローチもとても長く、ルートも樹林帯が多く展望のない区間が続くため修行とか
苦行とか言われる通り確かに長く苦しい道のりでした。
ただ、元々深い山域は好みですしあまり人の多すぎる登山よりはゆっくり自分のペースで自然の中に身を置ける楽しい山行でした。
最後にお世話になった いろりの宿 島畑 もおススメです。
余裕を持った旅ができたら泊まってみたいところです。
思い出に残る山旅になりました。
コメント